20世紀少年

今話題(なの?)の映画、20世紀少年。子供に見に行こうとせがまれたけど、行ってない(笑)。それが、どういうわけか原作を読み始める状況になった。現在20巻まで読了(笑) だいたいが、そんなにたくさん本を読んだり、漫画を読んだり、映画を見たりしてるわけじゃないので、もっともらしいことは何にも言えませんが。ただ、この漫画にはちょっと嵌ってしまった。
浦沢直樹といえば、YAWARAは全部読んだ。マスターキートンやパイナップルアーミー、Happy,は定食屋なんかでスピリッツなんかがあると読む程度でした。けど、好きな漫画家ではありました。もっとも、あとはゴルゴ13のさいとうたかお、くらいしか知らないといえば、知らないんですけどね。
20世紀少年を読んでてまず感じたのは、浦沢直樹って自分と同年代だったんだということ。Wikipediaで調べるとやっぱりそうだった。もうひとつは、この作品に関しては妙に大友克洋(アキラは全部読んだぞ)風なタッチが多いなぁと思った。Wikipediaによると、やっぱりそのことにも本人が言及してるらしい。特に登場人物の神様なんてのは大友克洋が描く老人そのもの、みたいな…。人が血を吹いて死んでしまう描写なんかも…あと、着流しのばくち打ちは「月下の棋士」っぽかったかな…(笑)

ま、それはいいんだけど…
つらつら、思ったのは、ひとつ上の世代(と思われる)の弘兼憲史課長島耕作は社長にまでなってしまう上昇志向の話なんだと思うのだが、浦沢直樹世代になるとケンジみたいなのが主人公になるのかなぁと…比較する問題じゃないんだろうけど。

私らの世代は「シラケ世代」とか「三無主義」みたいな単語で形容されることもあったように記憶する。学園紛争なんかを小学校か中学校の頃にテレビで見てそれが終焉するころ高校年代になるわけで、やっぱしらけちゃうのもむべなるかなって感じがする。すごく乱暴な言い方だけど、自分は身の回りの団塊の世代の人たちのことを好きになれなかったりする。無知なのかもしれないが、当時あんなに街や大学、学校を無茶苦茶にして何を考えているんだろうと、かすかに感じた記憶がある。一方で面白そう、とも思ったけど…。
少年時代のケンジたちはいいとして、大人になったケンジたちは到底こんな物語の主人公たり得ないと思う。ある意味、みんなさえない小市民だった。けれどいつしか、超人的な技と精神力を身につけたオッチョをはじめとして、大人になると急激にヒーロー然となる登場人物が何人かいて荒唐無稽なお話なのはわかっていても、なんか読んでいて時々醒めてしまうこともある。まぁそんな事を言ったらこのファンタジーには乗れないわけで…。冒頭書いたとおり嵌ってしまってるんだから、腑に落ちないことはどうでもいいと思いながら読んでいるわけだ。
それは、きっと作者と同時代を生きたからなのかなぁとも思う。秘密基地、万博、よげんのしょ、駄菓子屋、漫画やプラモのコレクションなどなど。どれもこれも、お〜んなじような体験や話をして遊んだ記憶がある。いじめ、仲間はずれなんかも似たようなことは多々あった。*1
ロック。私なんぞには音楽の単なるジャンルでしかなかったけど、大人になってからロックの根底にはなんというのか、反体制の血が流れている云々という音楽史的なことを知るにつけ、日本人にロックなんてできないんじゃないの?と思っている。*2この物語のケンジは前半似非ロックであり、物語の後半では本物になっているような気がする。作者のやりたかったのはそんなロックではなかったろうか?逆に言うと、あんな状況を設定しないとほんまもんのロックはこうだと説明できないんじゃなかったかと。勝手な読み解きをしつつ楽しんでいる。
週末は映画を見に行こうかどうか考えている。

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*1:子供はいつの時代も残酷な側面を持っている

*2:もっともロックの定義には諸説あるみたいですが